対安静

あんな痛い思いしてカテーテル入れて入院までしたのに、退院してもなお萎んでいる肺って…。ともかく次の外来までは家でおとなしくしていた。彼氏が見舞いに持ってきてくれたワンピース全巻を読んで、家にあるマンガを片っ端から読んで、先生の言う通り食事とトイレ以外はおとなしーくおとなしーく過ごしていた。

会社に電話をした。「退院したけどまだ肺は膨らんでいないから、もうしばらくは無理ッス」と正直に述べたら、「あー」とか「うー」とか唸られて、「来れるようになったら電話ちょうだい。とりあえず今月分は有休扱いにしとくから」ということになった。ついでにいつでも良いから診断書を郵送するようにと。

何か、もう一週間も仕事を休むと、そろそろ働きたいなぁとか思いそうなところだけど、ほんと、全然そんなこともなくって、何ならいっそこのまま辞めてしまいたいくらい思っていた。でも、そんなことを悠長に考えていられたのは、やっぱり近いうちに復帰するだろうと信じていたからだろうし、辞めたいと言っても辞められるわけがないってこと、ちゃんとわかっていたからだと思う。まさか本当に辞めざるをえない状況になるなんて…、ね。


退院から6日後の外来で、見事に肺は膨らんでいた!やった☆ついでに抜糸もしてもらった。これでもう健康なわたしなのね!と感激していたら、先生にあっさりと否定された。

「肺が膨らんだからと言っても、別にあいている穴を塞いだわけじゃなくて、膨らませただけなんだから。二度目の再発率は50%。二度なれば三度も四度もなるものだから。そうなったら外科で手術する方が良いなぁ。あんまりストレス溜めたりすると良くないから気を付けてね。煙草もこの際だからやめた方が良いよ。もうこの痛みを知っているから、なったらすぐわかるでしょ?なったらまた来て下さい」


ふーん、再発するんだ。その程度にしか考えていなかった。兄だってこの5年間再発していないし、わたしの今回の場合、萎み方もそんなにひどい方じゃなかったって言っていたし、きっと再発はないだろう。根拠など全くない自信でそう思い込んでいた。もう完治だと。だからこそ、あんなに痛い思いをしたのに、煙草は控えた方が良いかもって言われたのに、禁煙でストレス溜める方がアレよね…なんて屁理屈で自分をねじ伏せてしまえたんだと思う。


本当、わたしはアホだ。

>> NEXT