CT検査

先生から月経随伴気胸の話を聞いた翌々日の日曜日に例のCT検査をすることになった。その前の日から自力でX線検査には行けるようになっていたから、これならCT台に乗れるだろうということで。まず午前中に、いつものX線検査の呼び出しがかかって、この日は外来が休みだから救命救急センターの検査室へ。そこは病棟から外来よりも近いからちょっと楽。24時間繋がりっぱなしのドレーンを連れて歩くことにももう慣れた。パジャマの裾からビローンと管が垂れて、その管には肺から吸い上げられた胸水と血の混ざったパッと見「血そのもの」の液体がベットリ張り付いて(たぶんドロドロしている液だからスムーズに流れない)、何も知らない人が見るとかなり気持ち悪い。

救命救急のX線検査室は満員御礼状態だった。救命救急だけあって急患優先。たぶん事故だと思うけど、10歳くらいの男の子が検査室から一向に出てこない。看護士と医者がせわしなく動いているセンターで、何だかものすごく居辛い。しかもわたしの他に「え?あなたも気胸なんですか?」みたいな、ドレーンの器械を引き連れている若い男が2人。どちらも背が高くて異様に細い。(笑)おまけにちょっとカッコイイ。そういえば、わたしが入院した日、急患で来たのも気胸だって先生から聞いていた。わたしの2日前にも来たとか…。それで先生は「なんか時期的に気胸ラッシュなのかなー。気圧低いせいだねー」って笑っていたし…。


X線検査に行った3人がなかなか戻って来ないので、病棟の看護士さんが様子を見に来た。相変わらず救命救急センターの隅っこで、座る椅子さえもなく、ドレーンに繋がった気胸3人組が壁にもたれてダラーっと待っているのを見て、「なんか、まだまだかかりそうだね…。回診、後回しにしてもらおうか…」と切なそうに言って去って行った。

まあ結局、なんでそんなに待たされたのかというと、X線検査室は胸部、頭部、その他と3つあるのにも関わらず、しかもなかなか出てこない子供はその他を使用していて胸部はずっと空いていたんだけど、技師がひとりしかいなかったみたいで…。休日だしさー、外来ないしさー…。



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で、その日の肺の膨らみ具合は、前の晩にドレーンのスイッチを切ったせいで、昨日よりも若干萎んでいて、膨らんで萎んで一進一退?状態。またスイッチ入れられてグエっとおののく痛みが背中に突き刺さる。モルヒネ打つほどじゃないってことで、この日の痛み止めは座薬。つまるところ浣腸ですよ、尻の穴にブスっとね。もうこの頃になると羞恥心なんてあんまりなくて、貧相なおっぱいも汚い尻も全然へっちゃら。ははは。ただこの日は生理だったから、わたしよりも座薬入れてくれた看護士さんが嫌だったんじゃないかなぁ。可哀想に。



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座薬が効いてきたところで、今度はCT検査の呼び出しがかかる。CTもX線と同じく通常検査室は閉まっているから、またも救命救急センターへ。ドレーンのスイッチを入れたせいで、実は歩くのがかーなーり困難な状態だったんだけど、呼び出ししてくれた看護士さんが病棟でいちばん怖い(わたし的に)おばさん看護士だったため、「ひとりで行けるでしょ?」なんて言われたものだから、「ああ、はい…」とつい答えてしまってね…。仕方ないので超不自然な歩き方で、のろのろと救命救急センターを目指した。

CTというのは、頭部にせよ内臓系にせよやったことのある人はわかるけど、人ひとりがギリギリ通れるくらいのトンネルのミニ版みたいなところを、寝たままの状態で通過する。そのトンネルを通っている箇所がスライスされて撮影されるんだけど(関係ないけどうちのお父さんは閉所恐怖症なのでCTとかMRIなんかは大の苦手で、心臓の高速CT検査をする時にパニックを起こすから、いつも安定剤を打ってからやっていたりする/笑)、要は寝なきゃいけない。そして体に繋がっているドレーンも外せるわけがなく、それをどうにかしなきゃいけない。

とりあえず上半身裸になって(着ていたパジャマにはボタンがついていたから。検査着もあったけど、着るのは痛いし時間かかるし面倒臭いからもう裸で良いや…ってことで。着るのが痛いのは、管が入っている左側の腕を上げたり下げたりするのがものすっごい痛いわけで…)台の上に乗って、ドレーンの器械は足の間に挟んで、検査員のお兄さんが「息を止めて寝ると、案外寝られるよ」と言うので、息を止めて気合いと勢いで寝る。全身の血の気がひくほど痛かったけど我慢。我慢というか、ある意味「苦行」に近い。自分の限界に挑戦!みたいな…。(笑)足に挟んだドレーンの器械は、たぶんギリギCTを通れそうだったので、このまま撮影に。お兄さんが「O先生に通常の倍の薄さでスライスしてくれって念を押されているから、ちょっと時間かかるよー」と言われて、本当に時間がかかったと思う。頭部のCTはやったことがあって(貧血で倒れた時に頭を打って、その検査のために)、その時とは比にならないくらいこの時は長かったと思う。


検査結果は明日の回診時。自然気胸か、月経随伴性気胸か、さぁどっち!?


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