りは届かず

左肺は相変わらずコポコポする。 前屈体勢になるとコポコポどころか「ゴボッ」と音がする。(感じがする。たぶん自分にしか聞こえないような音)これは気のせいだわ!と安心したくて、ネットで色々調べた。気胸になったことのある人のサイトから、病気Q&Aみたいなサイトから、2ちゃんから。そんで撃沈。コポコポするのは空気が漏れている音らしい…。マジかよ…。ってことは、既に穴があいてるってことじゃん…。

いや、待てよ。自然治癒というのがあるじゃないか!

軽度の気胸の場合、安静にしていたら自然に治ってしまうこともある。外来のレントゲンで肺の虚脱がなかったということは、穴はあいていて空気も漏れているけど、これは超軽度の気胸なんだろうから、きっと安静にしてさえいれば、そのうちコポコポ鳴らなくなるに違いない。そう信じて、今まで以上におとなしくしていた。再発の恐怖に怯えながらも、神様仏様に祈って祈って祈りまくって。そんな風にしてわたしは「気胸」に取り憑かれたようになってしまい、会社に電話をしなけりゃいけないことをすっかり忘れていた。9月末に契約更新が来ることだし、キリも良いからそれで辞めようと、もうほとんど決めていた。そのことだけ電話で伝えて、来週くらいから出勤して、残り1ヶ月もあれば余裕で引き継ぎもできるし…。そんで今度はもっと人にやさしい楽な仕事をしようと思っていたのに。そんなの、入院して痛みに悶えている間にすっかり忘れていた。




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そして外来から3日目の朝。目が覚めたら気胸になっていました。(涙)

あまりの苦しさに起き上がれなくて、部屋から大声で助けを呼んだ。無理矢理起こしてもらって、立ってみたら背筋をきっちり伸ばせない。お婆さんみたいに腰を曲げていないと苦しくて呼吸ができない。明らかにこれは、過去2回よりもひどい虚脱状態。


はぁ〜…、また入院か…。つーかトンボ返りってやつ?


あのドレーンの痛みを思うと、ほんとこの体を捨てて逃げ出したいくらいだったんだけど、その反面どこか冷静な自分がいて、再び風呂に入れなくなる日々を思って超苦しくて歩くのもやっとなのにシャワーを浴びて、一度は解体した入院セットを再び作り、ドレーン入れたら食欲落ちるだろうからしっかり朝ごはんを食べて、たぶん、間違いなく、今度の入院は手術になるんだろうな…という予感を胸に、病院へ向かった。


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