救命救急センターへ
つい数日前の外来で先生に言われたように、今回は通常の外来受付ではなく救命救急センターの受付に行った。受付の人に簡単な症状の説明をし、すぐ呼ばれると思うのでそこで待ってて下さいと言われ、外来に比べるとかなり粗末な待合い用の長椅子に座っていた。これから数十分後にはまた、あの忌々しいドレーンを入れられて、痛みに悶えることになるんだろうと思うと、本当に泣きそうだった。これから数日後にはおそらく手術をするんだろうと思うと、泣きそうを通り越して恐怖で発狂しそうだった。怖い。
わたしは3歳の頃、腸ヘルニアで手術をしたことがあるけど、あの頃は幼かったから恐怖が漠然としすぎてわからなかっただけなんだと思う。話によれば、麻酔する前から寝ていたらしいし。(笑)ただ、麻酔から醒めるのがすごく遅くてちょっと大変だったみたい。
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受付から数分で呼ばれた。さすが救命だけあって早い。中に入るとまずは長椅子に座らされ簡単な問診。同じ年くらいの若い女の先生だった。たぶん研修医…。先週まで気胸で入院していたこと、明らかに再発してここに来たことを説明したら、じゃあとりあえずレントゲン…ということになって、入院中もお世話になった救命のX線検査室に。検査室から出ると、さっきの女の先生は別の子供を診ていて、他にいる若い男の先生(どいつもこいつも研修医!)も各々じーさんやら少年を診ていて、看護士は走り回っていて…。
わたし、忘れられていないかしら?
誰に話しかけたら良いのかわからなかったし(なんか無駄にドタバタしてた)、もう動くのも苦しくてじっとしていたかったし、救命の隅にあった予備の丸椅子に座っていた。
ひとりぽつんと待つこと10分弱。年増の看護士さんがわたしをチラ見して「あッ!」と一言…。え?え?マジで忘れられてたとか?ササーっとカーテンの奧の見えないところへ去って、手にレントゲンを持ってすぐ戻って来た。ああ、ほんと、レントゲン撮ってから忘れられていたんだね、わたし…。そうだよね。気胸だもんね。別に両肺じゃないから死なないけどね…。でもかなり息苦しいんだよね…。おーい…。
そしてやっとできたレントゲンを見ながら、わらわら集まる研修医たち。(笑)ついさっき撮ったレントゲンと、どっかからまわってきたわたしの総合カルテを広げて、研修医たちは口々に言う。
「気胸だね」
「うん。気胸だ」
「左ね」
「うん」
おいおいおいおいおい。君ら、大丈夫か?気胸なんて一目瞭然。そんなの申し送りして確認しあわなくってもわかるだろ?つーか呑気すぎやしねえか??
も、も、もしかして…、この頼りにならなそうな若い研修医たちの誰かがドレーンを入れるのかい?ベテランが入れても死ぬほど痛いドレーンをこのわたしと同じ年くらいのやる気まるでなさそうな研修医が…。
いーやーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
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