らんだり萎んだり

尿カテーテル、何の予告もなく一瞬で抜かれた。(笑)年増でいちばん怖い看護士さんに。T字帯外されて股間をあらわにして一瞬でスパっと。痛かったー…。でも男の人の方がこれに関しては何倍も痛いらしいね。


毎日3本の点滴(抗生物質)のせいで腕はジャンキーみたいになってしまった。普通食になってからは、前の入院時と何ら変わらない毎日で、朝X線検査して、回診があって、回診とは関係なく毎日一度はO先生が様子を見に来て、背中は前に比べたら痛みは楽だったから、お母さんと病院内をちょっとウロウロしたりして。でもすぐ疲れてしまう。


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変わったことと言えば、隣のベッドの笹島さんが6人部屋に移動になって、かわりに加藤さんが来た。加藤さんはリンパと脳と肺のガンで、放射線と抗ガン治療をする人。ガンに関してはこれで3回目の再発らしい。15年前に乳ガンで右乳房全切除、7年前に胃に転移。胃の半分を切除。で、今回また転移が見つかって…。もう手術できない場所だからってことで、放射線と抗ガン。見た目から70歳くらいかなと思っていたら、なんと59歳だった。病気のせいで老けてしまったのかな…。この加藤さん、すごく明るい人だった。だから病名と病歴を聞いてすごく驚いた。だって、奇跡でも起こらない限り、余命○ヶ月とか○年の類のガンだ。それなのに…。加藤さんのところには毎日色んな人がお見舞いに来ていて、パート仲間とか旦那さんとか子供とか兄弟姉妹とかお孫さんとか。その中に妊婦さんがいて、あとから加藤さんが「もうすぐ娘に子供が生まれる。わたしはどうしてもその子を一目見たいの」と。加藤さんと担当医の先生のやり取りを聞いている限り、加藤さんは自分の症状を全部告知されているようで、だからきっと、その生まれて来る孫の10歳の姿とか成人した姿とか、そういう場面に立ち会えないであろうことも全部わかっていて、きっとすごく怖いのに、病気の人なんて誰だって心細くて怖いのに、あんな風に明るく笑ってくれる加藤さんがすごいなあと思った。自分が大変な時に他人にやさしくできる加藤さんが、本当にすごいなあって思った。

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肝心の肺の方は膨らんで萎んで一進一退。つーか手術でブラは取ったのになぜ萎むわけ?萎んだせいでクランプは遠のき再びドレーンのスイッチを入れられて。スイッチ入れると背中に激痛が走るのは変わらず。いてーよ…。(前にも書いたかな?ドレーンは…スイッチオン状態→スイッチオフ状態→管をハサミみたいなもので遮断→管が抜ける!という過程になる。クランプというのは管をハサミみたいなもので遮断すること。ここまで来ると管が抜けるのはもう目前というわけ)

一度は膨らんだ肺が再び萎んだ理由をO先生がテレビのリモコンを肺に見立てて説明をしてくれた。それも人が「学校へ行こう」で笑いをこらえている時に。O先生、いつもテレビの良いところで来る。この前の日も「ヘイヘイヘイ!」で森山直太郎の面白トークのところで来たし。この説明は、先生はものすごく丁寧にじっくりしてくれたんだろうけど、実は全然わからなかった。(笑)だから解釈が間違っていると思うけど一応…。肺にできたブラを取り除く時に肺の形状上ブラだけをきれいに取るのは不可能で、どうしても肺も一緒に切除することになる。そのせいで肺の形がちょびっとだけ変形して隙間ができて、そこに溜まった空気のせいで肺が萎んだようになるけど、それを抜けばまた元通りになる…、ということだと思う。違うかもしれないけど。いちばんの疑問は、そのブラを取り除いた箇所をチタン製のホッチキスで肺をバチバチと止めてあるとかいうこと。えええ?ホッチキス?何それ?って感じ。皮膚の傷口を縫うかわりにホッチキスで止めてあるのは知っているけど、それとは違うのか?その肺を止めてあるホッチキスは半永久的に肺にあるものなの?何かの拍子にとれて大変なことにならないわけ?と、あとから色々思ったけど、まあいいや。よくわかんないし。だいたい肺をホッチキスで止めてあるっていうのも勘違いの可能性が大きい。


そんな感じ。早く風呂に入りたい…。


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